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毎日毎日 煩悩と偏愛とその他諸々で雁字搦め。               偏愛に溢れた日常の記録。
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先述しました通り 行って来ました見学授業。


思ったより とっても楽しかったです☆☆
と云うかやっぱり、絵の実物を体感しながら 皆であれやこれや論じるのがとても楽しい。
混んだ美術展や 時間の無い時では そういう事はなかなか出来ないし 佐倉まで行った甲斐がありました。

そして大収穫。
とてもツボなアーティストに出逢えた模様。

ジョゼフ・コーネルというアメリカのアーティストで
コラージュや箱作品の他に どうやらフィルムも撮ってるらしい。
フィルムは未確認なので好きかどうか分からないけど
今日展示に出ていた、箱作品とコラージュが!とっても好きな感じで。

見学開始前に教授から「特にコーネルのコレクションの質が高い」という一言があって
今日の今日まで1作品しか知らなかったので へー っと思ったくらいだったんですけど。
いざ展示室入ったらなんかもう。・・・多分、目輝いてたな自分(笑)。

何も入れない何も出られない「箱」の中で
有機物が無機物に擬態する様に ひんやりと息をひそめていたり、
観る者に、間違い無く「流動」を想起させながら
自らは決して 自ずからは動かずにいて、それがまるで挑発の様だったり、
ミクロコスモス、閉鎖、浮遊、解放、蒐集、ファンタジック、風化、腐蝕 etc・・・・・。

とても素敵でした。
箱の一つ一つが 一篇の物語の様だった。

1個でいいからください とか そうっと持って帰ってしまいたい とか
教授と口々に言い合ってたら 監視員のおばさまにジロジロ見られる。(そりゃそうだ。
私がコーネルを好きであろう事を しっかり見抜かれていた。
モローとルドンと澁澤の話くらいしかしたこと無いのに なんでバレるんだ。

その後 全員でメインのロスコルームに集合。
四方を巨大な絵に囲まれる中 長細いベンチに全員着席して暫し観賞。
ロスコにしては珍しい、暗い赤茶系の褐色をメインとした作品群。
本来はニューヨークのレストランから依頼を請けて制作したものらしい。

ロスコ自体にあまり興味無いとは云え、抽象がわからないとは云え、
半端ではない大きさなので 身体感覚・体験として面白いものがあった。
観ているうちに 段々目が部屋の暗い照明に慣れて、
作品が全体的に赤く肉の色に見えて来る。
ランダムに滲んだ色のキワが 水に混ざってぼやけて消えて行く血の様な。
なんとも、生臭い様な 体内の様な・・・。
抽象画の筈なのに かなり有機物のニオイを感じた。

かなりの人から「圧迫感」がキーワードに挙がった。
本来 作品を飾ろうとしていたスペースより、現状の展示室が小さいから というのがその「圧迫感」の要因ではあるらしい。
本来の大きさのところに飾って見てみないと何とも… という一種の結論に到る。

あとはやはり、ロスコっぽくない という意見も多数。
依頼で描かれたものなので その辺も大きく関係していると見られるが。
一方 感想訊かれて 肉とか血とか体内とか云ったのは私だけで
逆に「かなり無機(抽象)的な線(作品)だと思うが、そんなに有機的なものを感じるのか」と云うような事を突っ込まれる。

私は基本的に 絵の中にそういう有機的なものとか
生命・生体のエネルギーの様なものが垣間見えるのが好きなので
多分抽象画を見ていても そういう要素を見出そうと観てしまうんだと思う。
静謐の下で蠢く生命の片鱗だとか じっと押し殺された躍動だとかを。
本来 そんなものを描こうとしたか否かに関わらず 結構無意識に。

あとは いつもはあんな色使わないロスコが わざわざ暗赤色のヴァリエーションを使っている ということ。
それに関しては単純に、食事するなら青より赤の方が良かろう という考え方はダメだろうか。
それもあんな巨大な作品。(あれが赤いのと青いのじゃあ トンデモな差だ。)
あと あまり鮮やかな赤は 囲まれていると多分、気が狂れて宜しくないけれど
暗赤色というのは胎内回帰願望とかに訴え掛けそうだと 勝手に思っている。
よって 「落ち着くような色 血 内臓 肉 食」という一連の感想。
執拗に塗り重ねた、厚みのある色や 妙に不確実でランダムな滲みやぼかしもこのイメージを助長している。

・・・と云うわけで、珍しく「とっかかれた」ので
今日のロスコは思ったより大分面白かったです(笑)。
抽象画ってとっかかりが見えなくて観られない事が多い。



↓以下 面白かった作品↓

ファンタン=ラトゥール「花瓶の花」花瓶底部のラインが 実物の醍醐味かと!
モネ「睡蓮」やっぱりどうしてもキレイ。
マティス「肘掛け椅子の裸婦」インテリアが。
藤田嗣治 「アンナ・ド・ノアイユの肖像」肌と衣装と髪。日本人の「手」らしい繊細さ
シャガール「ダビデ王の夢」紫がキレイだった・・。あと左下辺りのサーカス。
アレクサンダー・カルダー「黒い葉、赤い枝 」 陰影が"樹木"。
マン=レイ「赤いアイロン」マグリットの「これはパイプではない」的面白さ。思わずニヤッとした。
マン=レイ「ノッカーまたはだまし卵」そんなああ(笑)!という感じ。叩きたくないドアノッカー(笑)。
ジョゼフ=コーネル「海ホテル(砂の泉) 」とにかく好き。哀しさ・懐かしさ・記憶・階段裏
ジョゼフ=コーネル「無題(ピアノ)」か細いオルゴールの音と薄曇った青にズガーンと。
ジョゼフ=コーネル「鳥たちの天空航法」質感と色とモティーフ。ノスタルジー。
ジョゼフ=コーネル「無題(星ホテル)」質感と色とモティーフ。やっぱりノスタルジー。風化。
ジョゼフ=コーネル「占星術の娘(カシオペア)」単純に好きで可愛い。
マーク=ロスコ「無題 5073.58 (シーグラム壁画) 」~「無題 6026.59 (シーグラム壁画) 」


川村記念美術館

ジョゼフ=コーネル
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Profile
性別:
女性
自己紹介:
社会人も早くも5年目になり
30歳が見えて来た。


9歳か10歳辺りで吸血鬼やら魔女やら怪盗やらに異様な関心を示して以来、どうにもその辺から離れられない。
その後ヴィジュアル系に傾倒して火に油。
人生片足踏み外した、くらいに感じている。

とっくにバンギャ上がったつもりで居るが、如何せん抜けない。
でも 別にヴィジュアル系だから好きだったわけではないと よく解っていたりして
年々 自分の音楽嗜好を人に伝えにくい感じ。


大学で西洋近代美術専攻。
卒論は偏愛を暴走させてモローのオルフェウス関係に。


多分 基本的に変態。
特技は物忘れと妄想。


【好きな美術】
絵画はモロー・ルドン・クリムト
カラヴァッジオ・ブークロー
シュトゥック・ムンク・ドレ(特に油彩)
ミュシャ・ルイ=イカール。
立体はジョゼフ=コーネル、ガウディ
ガレ・ギマール等のナンシー派。
日本美術だと琳派辺りが少し好き。


【好きなモノカキ】
澁澤龍彦・江戸川乱歩・三島由紀夫。(なんというコテコテ。)漫画は古めの少女モノ偏読。(8等身万歳。)


【好きな人達】
*目下足繁く*
BUCK-TICK
山田晃士

*ライヴ行かないけど好き*
Versailles
MORRIE*
Kaya
HYDE*


* * * * * * * * * * *
Creature<<DEAD END
L'Arc<<<VAMPS
* * * * * * * * * * *

*過去バンド*
Lucy
THE YELLOW MONKEY
The Spy "C" Dildog
NeiL
LAREINE
BOΦWY
ROUAGE
BAISER
SOFT BALLET
MASCHERA
黒夢
SCHWEIN
Schwarz Stein
Aliene Ma'riage

等等。
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