無題

何時の間にか　ロザリオを首に掛けることに抵抗が無くなった。
別にいいかー　と思う様になった。
自分が着けることも別にアリかも知れない。


漸く　学園時代の毒が抜けて来たか。
（宗教色ゼロ寧ろマイナス　の大学に入ったのも良かった。）


そもそもロザリオのデザインが
昔から可愛いくてキレイで大好きだった。
ガラスビーズで出来た、高価なロザリオに憧れたりした。

深い赤色の奥で藍色が煌めく　チェコガラスのビーズに
艶消しの金の金具のロザリオが一番好きだった。
文化祭などでロザリオの販売があると　眺めに行っていた。
かなり重そうだったのを憶えている。
多分　珠の直径は７㎜くらいあった。

自分で使っていたのは　透明のプラスチックビーズのだった。
それはそれで結構気に入っていた。
でも後になって　透明で少し虹色がかったガラスビーズのを買って　使っていた。
確か、プラスチックの変色が始まって
何となく汚くなったから買い換えたんだった気がする。



・・・・なんてことを
車中　目の前に座っていた青年の
胸元に光るクロスを見ながら思い出した。

しかしあの青年が着けていたロザリオは紛い物だった。
ビーズが数珠の様な並び方をしている、
典型的な「なんちゃってロザリオネックレス」。

あれは相変わらず　如何せんどうにも許容し難い。
モナリサが笑ってなかったらそりゃあ贋作だろう。気付けよ！
みたいな感じがするのである。


・・・モナリサ　笑ってない方が好きかも知れないなあ・・・。




右が１代目　左が２代目。