蛇口が閉まらない。(いつにも増して気持ち悪い記事で失礼)

memento mori…

内臓という内臓から、血が、循環と逆流して
熱く沸々、耳の奥や躰のコアから地響きに似た音をさせながら
猛スピードで天へ吸い上げられて行く様な、
法悦の様な、後ろめたい事等無いのに病的な高揚。
躰の中身が天へ近付いて行く幸福感と飢餓感で、
目が潰れて舌が干からびて指が萎びて
血も水も光も足りずに倒れそうになっている快楽。
上ってゆくメロディーと
一緒に　吸い込まれて
散り散りになりそうだ。


焼き焦がす太陽の下に
身を投げる様にひらりと躍り出て、あのひと
回り踊るうちに
黒衣の長い裾が
踝の脇からじりじりと
煙を上げ始めるけども
いよいよ満ちた顔で
歌っている。
唇の端が笑っている。
…と、そんな光景を、
聴覚からの情報をフル回転で処理している頭の
端っこの方の余白で
ぼんやりとしつこく妄想する。
あああのひと、
狂ってる！狂ってる！遺伝子レヴェルからまともじゃない！
なんだこの声は、この言葉は、あ、は、は、はー！！
アアすっかり私の方がまともじゃない。


…困るんだBUCK-TICKは。
五感を鍵穴にして 内臓を本性を引きずり出される。
開いていると過敏で色々流れ込んで来て
過剰になっていっそ不便だからと
普段は閉めている蛇口が勝手にカラカラに緩んでしまうんだ。

ああ。