御陰様で

一周年でございます。
あっと云う間の様な、まだ１年だったの、と云う気もする様な。
何はともあれ 訪れて下さる皆様のいらっしゃる御陰です。感謝。



処で　今、手に入れようか否か とても迷っているものがある。


1800年代のアンティークキィ。

鍵　と云う一種神秘的な存在は、それだけでも特別な魅力がある。
一体どんな人の手に収まって回されていたのか。
どんな扉を閉じていたのか。
どんな人が出入りする扉だったのか。

それが、100年以上の年月を経て来ているのである。
・・・あの10センチにも満たない中に、詰まっているものは大きい。

アンティークのものを手に入れると云うのは
年月の重みと人々の積み重なりを手にする行為だ。
歴史を手中に収める様な感覚は ささやかな支配欲を満足させて余りある。
寧ろ　余りすぎて、歴史の重さに負ける。恐ろしくすらある。
その緊張感と、古く もう本来の役割を終えたものへの奇妙な愛着と
よく今迄その姿で残っていてくれたな という感謝の様な感情と・・・
が、細い糸が縺れ合う様に一塊になって所有欲へ繋がっている。

古いからって捨てるのに、古いからって手に入れる。
人間て何て複雑で厄介なんだろう。